研究紹介4

腎特異的セリンプロテアーゼ阻害因子メグシンを標的とする創薬研究

 糖尿性腎症は最も一般的な末期腎疾患(腎不全)の原因であり、国内では1998年以降、透析導入原疾患の第1位になっています。糖尿性腎症は、メサンギウムの増殖・拡大、糸球体基底膜肥厚を経て、結節化に至る糸球体硬化に繋がる特徴があります。

 Megsinは、メサンギウム細胞に特異的に発現するSERPIN として、1998年、宮田によってクローニングされ、メサンギウム増殖するヒトIgA 腎症や糖尿病性腎症における発現亢進も報告しています(J Am Soc Nephrol 1999)。また、ヒトmegsin を全身に過剰発現したトランスジェニックマウスではメサンギウム増殖性糸球体腎炎を発症(J Clin Invest 2002)し、さらにそのマウスを糖尿病マウスとかけ合せることで糖尿病性腎症に特徴的な結節性病変にまで進行する成績を得ています。最近、自然発症糖尿病ラットの腎臓においてもmegsin が高発現しており、糖尿病性腎症への関与を示唆する知見を得ました(Kidney Int 2008)。以上からmegsinの糖尿病性腎症の発症進展への関与が示唆され、低分子のmegsin阻害薬による糖尿病性腎症の治療コンセプトの可能性を考えるに至りました。

 そこで、megsin阻害薬をスクリーニングする目的で、大腸菌でのmegsinの発現系とin vitroの活性評価を構築しました。さらに、megsin阻害が想定されるサイトが4ヶ所であることがSBDDから推定され、バーチャルでのドッキング・シミュレーションから小規模な市販化合物データベース(約6.5万)から候補化合物を選択して、in vitroの活性評価を行い、今後の創薬の種となるヒット化合物を得ています。


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